冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
9章 月夜
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王宮の中央に位置する大広間。
真っ白のクロスが長々と敷かれたテーブルの上には、眩いほどの煌めく食器たちと華美に飾られた花が、今夜の晩餐会を華やかに演出している。
天井から吊るされた美しいシャンデリアの下、諸外国の王族、貴族の面々が和やかに挨拶を交わしていた。
煌びやかな会場とは打って変わって、裏手の調理場はもはや戦争状態だ。
普段、いかにゆったりとした時の流れの中で王宮の職務を全うしているのかが身に沁みてわかる。
「フィリーナ! 早くこれをお持ちして!」
「はいっ!」
体調が悪いということになっているメリーに代わり、家政婦の年長者から指示を受ける。
どこに仕舞われていたのかと思う皿の数々に、次から次に飾られていく料理。
ワゴンに乗るだけの皿を並べて、急いで大広間へと運ばなければならない。
あとにはまだまだ配膳される料理たちが待ち構えている。
どこかで皿の割れる音と怒鳴る声が聴こえたような気がしたけれど、今は自分の責務に徹するだけだ。
王宮の中央に位置する大広間。
真っ白のクロスが長々と敷かれたテーブルの上には、眩いほどの煌めく食器たちと華美に飾られた花が、今夜の晩餐会を華やかに演出している。
天井から吊るされた美しいシャンデリアの下、諸外国の王族、貴族の面々が和やかに挨拶を交わしていた。
煌びやかな会場とは打って変わって、裏手の調理場はもはや戦争状態だ。
普段、いかにゆったりとした時の流れの中で王宮の職務を全うしているのかが身に沁みてわかる。
「フィリーナ! 早くこれをお持ちして!」
「はいっ!」
体調が悪いということになっているメリーに代わり、家政婦の年長者から指示を受ける。
どこに仕舞われていたのかと思う皿の数々に、次から次に飾られていく料理。
ワゴンに乗るだけの皿を並べて、急いで大広間へと運ばなければならない。
あとにはまだまだ配膳される料理たちが待ち構えている。
どこかで皿の割れる音と怒鳴る声が聴こえたような気がしたけれど、今は自分の責務に徹するだけだ。