冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
10章 真意
.*.:゜*..+゜:..*.+.:゜*..+゜:..*.+.:゜*..+゜:.*
――“すべてを投げうってしまいたくなる”
胸の奥が熱い。
計り知れないほど大きなものを背負うあの広くたくましい背中。
だけど、頑なな勇ましさは、きっと脆く崩れやすいものだ。
熱い心が、自分でも知らなかった正義感に奮える。
――決しておそばにいることは叶わないけれど、私は私にできる方法で……ディオン様をお守りするわ。
夜更けまで続いた舞踏会。
客人達は城下町に下り、そこで宿を確保する。
今日最上の客であるヴィエンツェ国一行は、今夜この王宮に宿泊することになっている。
侍女を従えてこなかったレティシア姫の世話をするはずだったのはメリー。
今軟禁中の彼女に代わり、フィリーナが寝屋の手伝いをすることになった。
本当なら、一番年長者の家政婦が侍女代わりを務めるべきなのだろうけれど、なぜか命じられたのはフィリーナだった。
――“すべてを投げうってしまいたくなる”
胸の奥が熱い。
計り知れないほど大きなものを背負うあの広くたくましい背中。
だけど、頑なな勇ましさは、きっと脆く崩れやすいものだ。
熱い心が、自分でも知らなかった正義感に奮える。
――決しておそばにいることは叶わないけれど、私は私にできる方法で……ディオン様をお守りするわ。
夜更けまで続いた舞踏会。
客人達は城下町に下り、そこで宿を確保する。
今日最上の客であるヴィエンツェ国一行は、今夜この王宮に宿泊することになっている。
侍女を従えてこなかったレティシア姫の世話をするはずだったのはメリー。
今軟禁中の彼女に代わり、フィリーナが寝屋の手伝いをすることになった。
本当なら、一番年長者の家政婦が侍女代わりを務めるべきなのだろうけれど、なぜか命じられたのはフィリーナだった。