冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「このまま、ディオン様に触れられてしまいますと、わたくしはもう後戻りできなくなってしまいます」
溢れる想いが目元からも押し出てこようとする。
熱く火照る顔を覗き込むディオンは、フィリーナの小さな口唇を長い指の背でそっとなぞる。
「それなら、私の目の前で他の男に触れさせるな。嫉妬で気が狂いそうになる」
グレイスに触れられて冷えていた口唇は、ディオンの指の温かさに熱を取り戻す。
その熱を移したかもしれない綺麗な指は、真剣な眼差しを降らせるディオンに口づけられた。
間接的にも、フィリーナの口唇はディオンに届き、胸が大きく弾けた。
「はい……もうこのようなことは……」
脈を乱す鼓動に、声が震える。
軽く微笑まれると、言葉の端々にディオンの心が乗せられているようで、だめだとわかってはいても、自惚れがフィリーナの頭を夢見心地に揺らめかせた。
溢れる想いが目元からも押し出てこようとする。
熱く火照る顔を覗き込むディオンは、フィリーナの小さな口唇を長い指の背でそっとなぞる。
「それなら、私の目の前で他の男に触れさせるな。嫉妬で気が狂いそうになる」
グレイスに触れられて冷えていた口唇は、ディオンの指の温かさに熱を取り戻す。
その熱を移したかもしれない綺麗な指は、真剣な眼差しを降らせるディオンに口づけられた。
間接的にも、フィリーナの口唇はディオンに届き、胸が大きく弾けた。
「はい……もうこのようなことは……」
脈を乱す鼓動に、声が震える。
軽く微笑まれると、言葉の端々にディオンの心が乗せられているようで、だめだとわかってはいても、自惚れがフィリーナの頭を夢見心地に揺らめかせた。