冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「グレイス様がレティシア様をどれだけ想っていらっしゃるか、おわかりにならないのですか!
レティシア様のお話をなさるときのグレイス様のお顔をご存じないのですか!?
レティシア様がお好きなものや、気に入ってくださるであろうものとか、いつだってレティシア様のことをお考えになられていたグレイス様のお気持ちを、ひとつでも感じ取られたことはあおりなのですか!?」
「娘、やめないか」とフィリーナを止めようとするダウリスには一切目をくれることをせず、ただ一心に、グレイスではない別の男性に寄り添っているレティシアへの歯痒さをぶつける。
「レティシア様との幸せを得たい一心で、グレイス様は大切な人をも傷つけてしまわれるところだったのですよ!? それなのに、なぜ、そのような裏切りを……っ……!」
フィリーナを下がらせようとするダウリスの腕の向こうで、ディオンがまたレティシアの方へと向き直った。
レティシア様のお話をなさるときのグレイス様のお顔をご存じないのですか!?
レティシア様がお好きなものや、気に入ってくださるであろうものとか、いつだってレティシア様のことをお考えになられていたグレイス様のお気持ちを、ひとつでも感じ取られたことはあおりなのですか!?」
「娘、やめないか」とフィリーナを止めようとするダウリスには一切目をくれることをせず、ただ一心に、グレイスではない別の男性に寄り添っているレティシアへの歯痒さをぶつける。
「レティシア様との幸せを得たい一心で、グレイス様は大切な人をも傷つけてしまわれるところだったのですよ!? それなのに、なぜ、そのような裏切りを……っ……!」
フィリーナを下がらせようとするダウリスの腕の向こうで、ディオンがまたレティシアの方へと向き直った。