冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
最終章
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「ここに、バルト国国王ディオン・バルティアの誕生を祝します」
煌くシャンデリアの下、グレイスの声に合わせて、乾杯といくつものグラスが掲げられた。
戴冠式のあとの晩餐会は、以前のように招待された大勢の王族、貴族が大広間に集まっている。
フィリーナもいつものように、立ち止まる暇もなく料理やお酒の配膳に徹していた。
ワゴンを押しながら、先日よりも豪華に飾られた玉座を、遠く横目に見やる。
煌びやかな王冠を頭に載せたディオン国王が、次々と祝辞を述べに来る客人に笑顔を振りまいていた。
礼拝堂で行われた戴冠式のときも、とても高貴な姿で、堂々とした威厳を醸していたディオン。
新国王誕生の場に居合わせることができたのは、フィリーナの人生で最も誇らしく、また、ディオンとの距離をあらためて実感させられた瞬間だった。
「ここに、バルト国国王ディオン・バルティアの誕生を祝します」
煌くシャンデリアの下、グレイスの声に合わせて、乾杯といくつものグラスが掲げられた。
戴冠式のあとの晩餐会は、以前のように招待された大勢の王族、貴族が大広間に集まっている。
フィリーナもいつものように、立ち止まる暇もなく料理やお酒の配膳に徹していた。
ワゴンを押しながら、先日よりも豪華に飾られた玉座を、遠く横目に見やる。
煌びやかな王冠を頭に載せたディオン国王が、次々と祝辞を述べに来る客人に笑顔を振りまいていた。
礼拝堂で行われた戴冠式のときも、とても高貴な姿で、堂々とした威厳を醸していたディオン。
新国王誕生の場に居合わせることができたのは、フィリーナの人生で最も誇らしく、また、ディオンとの距離をあらためて実感させられた瞬間だった。