冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「……そうではない」
わざと耳元に吹きかけるように囁く声に、首筋が震える。
ぞくりとした感覚に肩をすくめた。
そっと身体を翻され、瞳を覗き込まれる。
さらりとした漆黒の髪が額に触れると、馴染んだ感覚に瞼を下ろした。
すっかり形を覚えた口唇がやんわりと含まれる。
顎を掴まれ今日は手袋をした指が、下唇を開かせた。
腰を引かれると同時に、すかさず滑り込んでくるディオンの熱。
ぼうっとする暇も与えられず、絡まってくる舌に呼吸を乱された。
息苦しい喉が喘ぐ。
心臓を引きずり出されるかと思うほどのディオンの熱さにきゅっと瞼に力を入れると、含まれた口唇を舐ってから、名残惜しく離された。
「フィリーナ……」
空気が足りなくて呼吸が乱れる。
強く抱きしめなおすディオンは、気持ちを落ち着けるように額に軽く口づけた。
わざと耳元に吹きかけるように囁く声に、首筋が震える。
ぞくりとした感覚に肩をすくめた。
そっと身体を翻され、瞳を覗き込まれる。
さらりとした漆黒の髪が額に触れると、馴染んだ感覚に瞼を下ろした。
すっかり形を覚えた口唇がやんわりと含まれる。
顎を掴まれ今日は手袋をした指が、下唇を開かせた。
腰を引かれると同時に、すかさず滑り込んでくるディオンの熱。
ぼうっとする暇も与えられず、絡まってくる舌に呼吸を乱された。
息苦しい喉が喘ぐ。
心臓を引きずり出されるかと思うほどのディオンの熱さにきゅっと瞼に力を入れると、含まれた口唇を舐ってから、名残惜しく離された。
「フィリーナ……」
空気が足りなくて呼吸が乱れる。
強く抱きしめなおすディオンは、気持ちを落ち着けるように額に軽く口づけた。