冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
2章 遭遇
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「フィリーナ、お客人がいらしたわよ。今日は粗相のないようにお願いね」
「はいっ」
食事の時間が終わり、ほどなくした頃。
後片付けのあと、王宮の回廊を掃除していたところに、フィリーナは家政婦長から来客の知らせを受けた。
隣国ヴィエンツェのレティシア・ヴィエント姫が、到着したようだ。
待ちかねていた来客に胸が弾み、ときめきに浮かれる足取りを隠せず、フィリーナは出迎えの準備に急いだ。
王宮で働くすべての従者、使用人が、仕事の手を止め一同に集まるのは、建物の正面にあたる広いフロア。
艶々の大理石の床には、高い天井に描かれた天使の壁画とシャンデリアが反射する。
その真ん中を割るように敷かれた深紅のカーペットの両側には、使用人がずらりと整列した。
仰々しい雰囲気を漂わせたフロアに、両開きに開かれた大きな扉から春の匂いを纏わせた温かな風が流れ込んできた。
「フィリーナ、お客人がいらしたわよ。今日は粗相のないようにお願いね」
「はいっ」
食事の時間が終わり、ほどなくした頃。
後片付けのあと、王宮の回廊を掃除していたところに、フィリーナは家政婦長から来客の知らせを受けた。
隣国ヴィエンツェのレティシア・ヴィエント姫が、到着したようだ。
待ちかねていた来客に胸が弾み、ときめきに浮かれる足取りを隠せず、フィリーナは出迎えの準備に急いだ。
王宮で働くすべての従者、使用人が、仕事の手を止め一同に集まるのは、建物の正面にあたる広いフロア。
艶々の大理石の床には、高い天井に描かれた天使の壁画とシャンデリアが反射する。
その真ん中を割るように敷かれた深紅のカーペットの両側には、使用人がずらりと整列した。
仰々しい雰囲気を漂わせたフロアに、両開きに開かれた大きな扉から春の匂いを纏わせた温かな風が流れ込んできた。