徳井涼平の憂鬱
「最近の若者はこういうのを着るのか・・・」
「その言い方・・・おばさん。」
「お姉さんと言いなさい。」
「いやだよ・・・朱希さん。」
「ちぇっ。」
去年出来たばかりの大型ショッピングモールで、早々にジーンズを購入した後、イチャイチャしながらあっちの店こっちの店とウインドウショッピングを楽しんだ。
昼食にハンバーガーを頬張りながら、他愛もない話題で盛り上がった。
「決まった?」
「決まった。」
「さっきの店のジャケット?」
「ううん。映画観よう。」
「え?」
「上の階に映画館あるだろ? そこで今観たい映画やってる。さっき確認したら、あと15分ほどで次の上映始まるみたい。」
「え? じゃ、その後にプレゼント買う?」
「いいよ、映画だけで。」
「なんで?」
「デート・・・したことないから予行演習。」
「は?」
「今日はデートのつもりで」
我ながらムリな理屈だとは思った。でも俺は最初から、今日は朱希さんとデートしてるつもりだった。
「やった! 弟とデート!」
おどけたようにはしゃぐこの朱希さんは俺のものだ。今は俺だけのもの。
「その言い方・・・おばさん。」
「お姉さんと言いなさい。」
「いやだよ・・・朱希さん。」
「ちぇっ。」
去年出来たばかりの大型ショッピングモールで、早々にジーンズを購入した後、イチャイチャしながらあっちの店こっちの店とウインドウショッピングを楽しんだ。
昼食にハンバーガーを頬張りながら、他愛もない話題で盛り上がった。
「決まった?」
「決まった。」
「さっきの店のジャケット?」
「ううん。映画観よう。」
「え?」
「上の階に映画館あるだろ? そこで今観たい映画やってる。さっき確認したら、あと15分ほどで次の上映始まるみたい。」
「え? じゃ、その後にプレゼント買う?」
「いいよ、映画だけで。」
「なんで?」
「デート・・・したことないから予行演習。」
「は?」
「今日はデートのつもりで」
我ながらムリな理屈だとは思った。でも俺は最初から、今日は朱希さんとデートしてるつもりだった。
「やった! 弟とデート!」
おどけたようにはしゃぐこの朱希さんは俺のものだ。今は俺だけのもの。