徳井涼平の憂鬱
「あ、年甲斐もなくはしゃいでるのを遠回しにバカにしたな!」
「してないよ。年甲斐もなくっていくつだよ・・・」
「29歳です。もうすぐ30歳。」
「知ってます。」
「知ってたかー。」

 キスしたい。この唇の形をなぞりたい。

「さて、お茶でもして帰る?」
「・・・うん。」

 涼平が手を繋ぐと、後ろで「ウソ!」と小さな悲鳴が聞こえた。

「なんか・・・後ろの女の子たちが・・・こっち見てるけど・・・」

 チラチラと朱希が振り向くと、3人団子になった女の子たちがこちらを睨みつけてくる。

「年上だよね?」
「絶対そうだよ。」
「ヤバくない?」
「お姉ちゃんじゃない?」
「だって、手とかつなぐ?」
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