空ーsky-
「ちょっと。春さん早いです。ていうか、手が痛い。引っ張らないでください。」

「あっごめん。つい」

外に連れられて近くのカフェにまで連れて行かれた。何も知らない人から見たら誘拐にでも見えただろうか?

「あっこれ……」

「ん?」

「これですよ。春さんが急に引っ張るから、持ってきちゃったじゃないですか」

『花色』持ってきちゃった。後で謝らないと…

「ごめん。『花色』持ってたなんて気づかなくて」

「後で返しに行くしかないですね。で、ひっぱてきて何の話があったんですか?」

「本題の前に一つだけ聞かせてくれないかな。」

「なんですか改まって。」

「結月ちゃん学校好き?」

「……大っ嫌いですけど」

急に春さんは黙り込んだ。
 
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