誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

「なんで?受験終わってからならいいだろ?」

的矢が事も無げに言うので俺は酒井に助け舟を出す。



「酒井はさ、女の子に好かれるのが嫌なんだよ。」



的矢が沈黙する。

何…?



「…ごめん。俺知らなくて…。

酒井やっぱピカルのこと…」



「そういう意味じゃねーしっ!」



俺が慌てて声を張ると、教室中がこちらに好奇の眼を向ける。



一方、当の酒井は反論をするでもなく、くすくす笑っていて。



「そう言うピカルのもちょっと違うな。」



「え?」



「好かれるのが嫌なわけじゃねぇんだよ。」
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