誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
酒井がこちらに視線を戻し、

「手前勝手な論理だけどな。」

と笑う。

それはいつもの酒井よりずっと優しい表情だった。



「だからこそそんなこと少しも見せずに冷たく振るんだろ?

見せたら…相手が諦められなくなるから。」

「えっ?」



酒井が今度は恥ずかしそうに頭を掻く。


つくづく酒井は損してると思うけど…

でも酒井を愛した女の子はホントに男見る目があると思う。



と、思いきや、

「そんな風に見ててくれたんだ~ピカルちゃんは!

俺やっぱピカルちゃんのこと好きかも~」

と俺に顔を近付ける。



「酒井!やめっ…」

的矢はじめ、四方からの視線が、痛い…
< 112 / 240 >

この作品をシェア

pagetop