誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
「じゃ、今日の放課後からこのマニュアルを元にロールプレイングしよう。
今日は昼飯持ってきたよな?」
的矢がノリノリで仕切る。
「練習でこれ完璧にやれたら決行日を明日に早めようぜ。
そしたらピカル。終業式の日は彼女と二人で登校できるぞ。」
酒井が「二人で」を強調してにやにやして言う。
彼女と二人で登校─
恋する高校生なら
誰でも憧れるシチュエーション…
制服でラブラブ登校とか
よく考えたらもうここしかチャンスないじゃん…
「よしっ!やる!!」
「おぉ!珍しくピカルがマジだー!」
頭の中でセーラー服姿の彼女が俺に微笑みかける。
「ヒカルくんおはよう。」
天使の笑顔。天使の微笑み。
それが俺だけに向けられていて…
簡単に諦めたくない!
幸せになってやる!!
俺は右の拳を握りしめた。
* * *