誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
いつもより早い電車で乗り換え駅に着く。

階段を上がり一度コンコースに出て、今度は乗り換える線、いつも彼女に逢うホームへと下る。



階段下で上を降り仰ぐ。



彼女もここから来るはずだ。
 


君を待つ、この場所で。



続々と階段を降りてくる人、人、人。

やがていつもの1本前の電車が着き、降り立った人たちが塊になって上がってゆく。

彼女を見逃さないように、塊を縫うように降りてくる人影をひとつひとつ確認する。



その時、眼の端を光のフレアが掠めた、気がした。

それを追うように眼を向けると…



彼女だった。



階段を下る人の波の中に彼女がいた。



ドクン…



握りしめた右の拳を胸の真ん中に置く。



深呼吸。



彼女が階段を降りきる。



俺は彼女に向かって踏み出した。



「…すみません!」
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