誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
駅前では的矢が待っていた。



「どうだった!?」

開口一番的矢が訊ねる。



「…放課後、駅で逢えることになった。」

「やったじゃん!おめでとう!」

的矢が乱暴に俺の肩を組む。



「いや、まだこっからだから…」



そう。



これはまだイントロで、サビはこれからだから…



的矢に肩を組まれたまま引きずられるように学校へ向かいかけると、

「ピカル!」

と後ろから声を掛けられる。

酒井だ。



「今、いつもピカルが乗ってる車両に乗って来たんだけど、」

そう言って酒井はにやっと笑って俺と的矢の間に首を突っ込んで続ける。



「天使ちゃん、相当キョドってたぞ。」



「え…」
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