誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
会計を済ませて店を出、あやのと並んで歩く。



「手袋してても寒いわね。」



そう言って俺の左隣を歩くあやのが、俺が手を突っ込んでいるダウンの左ポケットに自分の右手も入れてくる。

甘えているのか、それともただ単にあったかいと思ってやってるのか分からないところが悩ましい。



「送るよ。」

「とーぜん。」

あやのが不敵に微笑み、ポケットの中で俺の手を握る。



(ヤバい、可愛い過ぎる…)



付き合ってずいぶん経つのに、未だにこうして俺はあやのの所作ひとつひとつに胸を射抜かれる。
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