誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
俺は半歩後ろに下がって彼女に場所を譲った。

譲った、と言うより、
これ以上近いと心臓の音が聞こえてしまいそうな気がして離れた、と言うか…



すると



彼女が俺の方をちょっと見上げて、



「ありがとうございます。」



と言って俺の前に回り込み、スズキさんの前に立った。



「!!」



(今!俺に言った、よね!?)



ありがとうございます。

ありがとうございます。

ありがとうございます。…



彼女の声が頭の中でリフレインする。
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