誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
そんな二人を俺は苦笑いして見送る。

席に着くと直ぐに先生が教室に入ってくる。

次の時間は現代文。



教科書を広げるも、ふと別のことを考える。



(まぁくん、か。)



俺と彼女が付き合ったら、彼女は俺のこと何て呼ぶんだろう?



普通に「ヒカルくん」?

いや、菊女のお嬢様でしかも年下。

「楢崎さん」とか言うのかな?

「ピカル」、はさすがに、ないな…



あ、でも、急に後ろから腕を絡めながら、潤んだ瞳で少し上目遣いで見上げて、

「ピカルぅ~」

とか言われたら…



言われたら…



いや、言われなくても想像しただけで…



(ヤバい…)



にやけてしまう…

俺は慌てて掌で口を覆う。
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