誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

「何?」

酒井が女の子に促す。



「あの…私、塾辞めることになって…」



この時期に辞めるってことは…



「推薦受かったの?」

「…うん。」

「おめでとう。」

「!!…ありがとう!」



酒井の言葉に幸福そうに女の子が綻んだ。



「あの…それでね…酒井君忙しいのに悪いなって思ったんだけど、
もう会えなくなっちゃうからどうしても伝えたくて…」



いよいよ俺は気まずくなって、そっと椅子から腰を上げようとする。



が、

テーブルの下でやにわに酒井が俺のブレザーの裾を捕まえる。



(勘弁してくれよーッ!)
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