誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

「酒井君…」

女の子の声が震える。



「ずっと…好きだったの…。

良かったら…ラインだけでも交換して下さいっ!」



やっぱもっと早く逃げ出しとけばよかった。

居心地悪い…



なんて思っていると、



「ごめん。そういうの興味ないんだ。」



「酒井っ!?」



「そっか…ごめんね…」

女の子が俯く。



「聞いてくれて…嬉しかった。

…ありがとう。さよなら。」



そう言って女の子は踵を返して駆け出して行く。

最後の方は少し、涙声だった気がした。
< 96 / 240 >

この作品をシェア

pagetop