天使×恋する僕
慎重すぎるほどに、首に巻かれていた針金をペンチで外した。

猫は、外れた音のせいなのか? 一瞬ビクリと体を大きくばたつかせた。

「大丈夫だよ。今楽になるからな。」


猫は安心したのか、俺をチラリと見て、また苦しそうに目を閉じた。



傷という傷は、全て消毒をした。

俺は獣医じゃないから、出来るのもこれが限界だった。

この発見が昼間なら…
獣医に見せれたのに…



次々赤く滲む包帯を取り替えながら俺は、猫の回復を心から願っていたんだ。






気が付けば…朝日が昇り始めていた。



ミュウはまだ、帰ってこない…。



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