現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。

マサちゃんとのランチを終え、店に戻る。

まだお昼に行っていない志木さんは、いつもの席で、いつものようにパソコンと向き合っていた。


そんな彼の姿を見ながら、さっきのマサちゃんの言葉を思い出し、心がズキンと痛んだ。


あれはあくまでウワサ。本当かどうかはわからない。

だけど、本当だとしたら。

もしかしたら、志木さんが私のことを恋愛対象に選んだ理由は、私にとって悲しい理由なのかもしれない。



「ん? 戻ってたのか」

私の視線に気づいたのか、志木さんが軽く背伸びをしながら私に振り返る。


「あ、はい。休憩ありがとうございました」

「はいはい。俺もそろそろ行くかなー」

そう言いながらも、彼はまたパソコンと向き合う。いつものことだ。きっとあと二十分は席を立たずに仕事を続けてしまうのだろう。


牧原さんはまだお昼休憩から戻ってきていない。香島くんはお客さんのところに外出中。代理は電話中。

辺りに人がいないことを確認して、私は小声で志木さんに話しかける。


「あの……」

志木さんは再び私に視線を移し、「ん?」と首を傾げる。




「……今度のお休みの日、どこか行きませんか」
< 101 / 142 >

この作品をシェア

pagetop