現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
え?と、志木さんが聞き返してくる。
そうだよね。突然こんな質問、意味わかんないよね。

だから私は言葉を紡ぐ。


「私オタクだから、アニメとかゲームとか、そういう趣味がいろいろあって、すでにそういうものに依存しているじゃないですか。だから多分、志木さんのことをどんなに好きになっても、志木さんがいなきゃダメになる、ってことはないと思うんですよ。ほかのものに依存しているわけだから」

「沙代……?」

「……私だったら」

言ったらいけない。
言うべきではない。
そうは思ったけれど、確かめたかった。たとえ、無神経な女だと思われても。


「相手が私だったら、もし別れるようなことがあっても、死んだりしないだろうなって、そう思ったから私を選んだんですか?」


最低な質問をしたことはわかっている。
怒られても良かった。なんだったら殴られたって良かった。


だから、否定してほしかった。

そんなんじゃないよって。
沙代だから……好きなんだよって。

あわよくば、いつものやさしい笑顔と声で。



だけど、現実は違った。



「……俺は……」



なんで、そんな気まずそうな顔するの?
< 109 / 142 >

この作品をシェア

pagetop