現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
night.6
「それは、どう考えてもサヨコちゃんが悪いよね」
翌日。
私は、駅前の喫茶店にリンゴさんを呼び出し、志木さんとの一件を聞いてもらっていた。
私と志木さんが付き合っていることは、職場の人には言えない。いずれマサちゃんには話したいとは思っていたけれど、まだ言えていない。
もともと友だちは少ないし、恋愛相談ができる相手はもっと少ない。
そんな中、リンゴさんの顔が浮かんだ。
リンゴさんなら、私と志木さんが付き合っていることを知っているし、めったに会う仲ではないけれど、だからこそ逆に、慣れない相談をしやすい気がした。
とにかく、ひとりで悩んでいても解決策なんて見つかるわけなく、どんどん暗い気持ちになってしまいそうな気がしていたのだ。
……昨日のあれから、LINEのメッセージも全然送られてこないし……。私からも送れてないけど……。
そんなわけでリンゴさんに相談したわけだけれど、彼女はそのハンドルネームに反してオレンジジュースを飲みながら、バッサリとそう言い放ったのだった。
「私だったら別れても死なないだろうから付き合ったんでしょ、なんて質問、ひどすぎでしょ。彼氏が元カノに飛び降りされてどれだけ傷ついたかをちゃんと考えていたんでしょ? それなのに、なんでそんな質問しちゃったのよ」
確かに、その通りだ。飛び降りの一件で志木さんがどれだけ傷ついたのか……ちゃんと考えていた。本当に、ひどいことを言ってしまったと思う。
「でも、私もそれだけ本気で聞きたいことだったの」
私が答えると、リンゴさんは首を傾げる。