現状報告！オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。

彼を部屋に通し、温かい紅茶を出す。


私はきっとこれから、別れ話をされる。

でもそれは、受け入れなきゃいけないもの。

もともと、三ヶ月限定の恋愛だったはずだし。


最初は、渋々の三ヶ月間だったはずのこの恋愛も、結果的には、私にとってはご褒美のような三ヶ月間だったな。


そう思って、紅茶を口にしながら相当の覚悟をしていたのに、彼の口から出てきたのは、意外な言葉だった。



「あのさ、さっきの、誤解だから。あの子とはなんでもない。だから、その、勘違いしないで。だけどなにより、嫌な思いさせてごめん」


……え？



「……どういうことですか？　元カノと会ってたんじゃ……」

「あ、やっぱり気づいてたよな。うん、あの子は前に付き合っていた子で、以前話した、その、飛び降りしたっていう子」

志木さんは気まずそうに、だけど確かに私の目を見て、ゆっくりと話してくれた。


橋田さんとは、別れてからは一度も会っていなかったこと。
あの日、事前に連絡もなく窓口に急に来て本当に驚いたこと。でも、今は元気にやっているという話を聞いて、心から安心したこと。
もう一度付き合いたいと言われたこと。
……でも、彼女がいるからと、その告白をその場で断ってくれたこと。


橋田さんも、断られるのを覚悟して志木さんにあの告白をしたらしい。
だから、フラれたことに対してはすぐに首を縦に振ったものの、最後にもう一度だけ、彼とデートっぽいことがしたいと思ったらしい。

もちろん、志木さんも一度は断ったものの、どうしてもとせがまれてしまった。

職場の窓口ではなく、別の場所でもっとゆっくり彼女の近況を聞きたかったというのもあったらしい。

そのため、今日はいっしょに映画を観ていたらしい。


「……でも、だったら私に事前に事情を話してくれていたら良かったじゃないですか」