現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「キッカケは、仕事がんばってるところとか、真面目なところとかだったんだけど、今は違ったからさ」

「え?」

「今は……沙代がアニメとかゲームとか自分の好きなことに対する自分の世界を持ってるところとかが好き。自分の好きな世界に触れている沙代の笑顔が好き」

「……っ」

「で、一番好きなのは、BLの話してる時の沙代なんだよね」


ん?


それはどういうことですか? と彼に聞くと。



「なんか、BLの話をしている沙代は、特に生き生きしてる瞬間っていうか。でも、あの雰囲気でそんなこと言っていいのかなと思ったら言葉に詰まった。気まずい顔したつもりはなかったんだけど、思ったことを口にしていいのか悩んだ瞬間だったから、それに近い顔になっていたのかもしれない」


も、もしかして。

私、結構勘違いしていた……!?

最初から、志木さんは私のことを本当に想ってくれていた……?


「だ、だったら、あいさつの無視はともかく、その後できちんと話してくれたら良かったじゃないですか!」

「俺もそのつもりだったんだけど。俺は沙代のことすごく好きで、大事にしてきたつもりだったのに、なんにも伝わってなかったんだなと思ったら、なんか自信なくなってきて。『私ならフラれても死なないから私と付き合ってるんだろう』なんて言われて、多少なりともイラッとしていたし」

「すみません゛!」

やっぱり、怒らせていたことに違いはないようだ。


だけど……私が思っていた以上に、志木さんは私のことを最初からちゃんと想ってくれていた。


それなのに、私に自信がなかったから信じてあげられなかったんだ。
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