現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「……っ⁉︎」

いきなりのことに、顔がボッと熱を帯び、硬直する。

一方、志木さんの方はなにごともなかったかなようにスッと立ち上がって、自分の席へと戻っていく。


……誰かに見られたらどうするの⁉︎ 職場でキスなんて……。

そうは思いながらも、立ち上がりながら唇にそっと人差し指で触れて……素直にうれしさを感じてしまっている自分がいる。


ダメ、私ったら。

これからどんな自分になっていけばいいのか、という思いには、〝変わりたい〟、〝成長したい〟という気持ちも混じっていた。

そう、志木さんの隣に堂々と立てるくらいの、立派な女性になりたいからーー……。


それなのに、こんなにも簡単に彼のペースに翻弄されてちゃダメでしょ自分……。

そう思いながら、私は両手で両頬を包み、真っ赤であろう顔を隠した。
< 134 / 142 >

この作品をシェア

pagetop