現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
その感覚は、もはや自分が自分を構成する一部のようなもので、二次元のキャラへの愛よりも三次元の男性への愛を優先する自分は、多分自分ではない。
三次元の志木さんにちょっとときめいたのは事実だ。
でも、おそらく、この私が三次元の男性を本気で好きになることは、ない気がする。
すると志木さんは。
「そうか。俺は、三次元の男の中で井原さんにとっての一番になれれば、二次元の次でも構わないけど」
そんな、ありがたいことを言ってくれたけれど。
でも、真剣に告白してくれた志木さんに対して、中途半端な返事はしてはいけないと思う。
だから私はもう一度、「……すみません」と、彼に頭を下げた。
私の気持ちは、多分、彼に伝わったと思う。
彼が、「そっか」と言って、頷いてくれたから。
……と思ったのだけど。
「じゃあ、井原さんのことは諦めるね。
それにしても、井原さんがまさかガチムチ……おっと、なんでもない、ごほんごぼん」
「……」
「さ、早く帰ろう」
「ま、待ってください!」
スタスタと歩いていこうとする志木さんの背広の裾を、私は後ろから掴んで、彼を引き留める。
「ん? なに?」
「いや、なにじゃなく……」
志木さんは、さっきからあくまでクールで、そしてどこかやさしい余裕の笑みを浮かべている。
でも私には、その笑顔の色はブラックにしか見えなかった。
ここで志木さんの提案を断ったら、会社中に私がオタクであるということをバラされるような……そんな笑顔。余裕。
オタクであることだけならまだしも、ガチムチ受けのBL本を購入していたことだけは絶っっ対に誰にも知られたくない‼︎!
「わ……わかりました。三ヶ月、志木さんと付き合ってみます」
そう答えるしかなかった。
でも、志木さんはウソをつくような人ではないと思うし、三ヶ月乗り切れば、きっと本当に諦めてくれるだろう。というか、志木さんの方が私に飽きる気がする。そうだよ、イケメンで仕事ができて女性にモテモテの志木さんの周りには、地味でつまらない私なんかよりよっっぽど素敵な女性がたくさんいるはずなんだから。
三次元の志木さんにちょっとときめいたのは事実だ。
でも、おそらく、この私が三次元の男性を本気で好きになることは、ない気がする。
すると志木さんは。
「そうか。俺は、三次元の男の中で井原さんにとっての一番になれれば、二次元の次でも構わないけど」
そんな、ありがたいことを言ってくれたけれど。
でも、真剣に告白してくれた志木さんに対して、中途半端な返事はしてはいけないと思う。
だから私はもう一度、「……すみません」と、彼に頭を下げた。
私の気持ちは、多分、彼に伝わったと思う。
彼が、「そっか」と言って、頷いてくれたから。
……と思ったのだけど。
「じゃあ、井原さんのことは諦めるね。
それにしても、井原さんがまさかガチムチ……おっと、なんでもない、ごほんごぼん」
「……」
「さ、早く帰ろう」
「ま、待ってください!」
スタスタと歩いていこうとする志木さんの背広の裾を、私は後ろから掴んで、彼を引き留める。
「ん? なに?」
「いや、なにじゃなく……」
志木さんは、さっきからあくまでクールで、そしてどこかやさしい余裕の笑みを浮かべている。
でも私には、その笑顔の色はブラックにしか見えなかった。
ここで志木さんの提案を断ったら、会社中に私がオタクであるということをバラされるような……そんな笑顔。余裕。
オタクであることだけならまだしも、ガチムチ受けのBL本を購入していたことだけは絶っっ対に誰にも知られたくない‼︎!
「わ……わかりました。三ヶ月、志木さんと付き合ってみます」
そう答えるしかなかった。
でも、志木さんはウソをつくような人ではないと思うし、三ヶ月乗り切れば、きっと本当に諦めてくれるだろう。というか、志木さんの方が私に飽きる気がする。そうだよ、イケメンで仕事ができて女性にモテモテの志木さんの周りには、地味でつまらない私なんかよりよっっぽど素敵な女性がたくさんいるはずなんだから。