現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
志木さんは、クールでありながらもやさしい人。それは確かだ。

だけどそれと同時に、非常にSっ気があり、強引な性格なのだということも判明した。


そんな人と、たとえ三ヶ月間とはいえ恋人同士として付き合っていけるのだろうか。
少なくとも、三ヶ月後に私が志木さんのことを好きになることはないと思うけれど……。私は、ドSクールキャラとかより、やさしげな王子様系キャラの方が好きだし。二次元の話だけど。


でも……。




「よろしくね、井原さん」


そう言って、普段クールな志木さんは、ニコッとわかりやすく笑ってくれて……。



「あ、は、はいっ」


思わず、ときめいてしまった……。


こうして、私と志木さんは、三ヶ月限定・脅しから始まるお付き合いが始まったのでしたーー……。






三ヶ月付き合う、といっても、土日の間に志木さんから連絡が来ることはなかった。一応、告白された金曜日の夜に家の前まで送ってもらった後、LINEのIDは交換し合ったけれど。志木さんはアイコン画像になにも設定がなかった。志木さんらしいかもしれない、とも思った。



そんなこんなで今日は月曜日。ああ、なんだか緊張してしまう。いったいどんな顔をして志木さんに会えばいいのだろう? かといって、避けるわけにはいかないし。同じ課で働く、直属の上司だ。会話をしなきゃ仕事にならないし、席だって前後だし。


……仕方ない、行こう。

意を決して更衣室から出て、私は営業室へと向かった。
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