現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「おはようございます」
あいさつをしながら営業室に入ると、志木さんの姿は近くには見当たらなかった。
志木さんには失礼だけど、私はつい、ちょっと安心してしまった。
そのままとりあえず、普段通りに自分のデスクチェアに腰かけると、
(いつも通り、いつも通り)
と、私はまるで暗示のように、自分の心にそう言い聞かせていた。
……だけど。
「おはよう」
隣から、突然志木さんにそう声をかけられ、思わず「うわっ」と声に出して驚いてしまった。
「うわってなに。ちょっと傷つくんだけど」
「すっ、すみません! 私ったら、つい……!」
すぐに謝ると、志木さんは「いや、べつにいいけど」と言って、フッと笑った。気にしてはいなさそうだ。
ああ、私、こんな調子で普通に仕事になるんだろうか……。
そりゃあ、お付き合いといっても三ヶ月という期間限定だし、彼のことを無理に意識する必要もないのだろう。
だけど、それでも。
誰もが認めるイケメンで、有能な人で、そのうえ本当はすごくやさしい人だってわかっているから……どうしたって意識しちゃうよ。私、まともな恋愛経験ほぼないし。
あーーこんなことなら今まで乙女ゲームもっとやっとけば良かった! せめて少女漫画を読み込んでおけば良かった! 男女の恋愛よりも男同士の恋愛の方が好きすぎて、いつからか少女漫画もたまにしか読まなくなっていた!
……いやいや、これは現実世界なのだ。現実問題なのだ。乙女ゲームや少女漫画といっしょにしてはいけない。
なんてひとりツッコミを心の中でした後、
「おはようございまーす」
と、牧原さんが出勤してきた。
あいさつをしながら営業室に入ると、志木さんの姿は近くには見当たらなかった。
志木さんには失礼だけど、私はつい、ちょっと安心してしまった。
そのままとりあえず、普段通りに自分のデスクチェアに腰かけると、
(いつも通り、いつも通り)
と、私はまるで暗示のように、自分の心にそう言い聞かせていた。
……だけど。
「おはよう」
隣から、突然志木さんにそう声をかけられ、思わず「うわっ」と声に出して驚いてしまった。
「うわってなに。ちょっと傷つくんだけど」
「すっ、すみません! 私ったら、つい……!」
すぐに謝ると、志木さんは「いや、べつにいいけど」と言って、フッと笑った。気にしてはいなさそうだ。
ああ、私、こんな調子で普通に仕事になるんだろうか……。
そりゃあ、お付き合いといっても三ヶ月という期間限定だし、彼のことを無理に意識する必要もないのだろう。
だけど、それでも。
誰もが認めるイケメンで、有能な人で、そのうえ本当はすごくやさしい人だってわかっているから……どうしたって意識しちゃうよ。私、まともな恋愛経験ほぼないし。
あーーこんなことなら今まで乙女ゲームもっとやっとけば良かった! せめて少女漫画を読み込んでおけば良かった! 男女の恋愛よりも男同士の恋愛の方が好きすぎて、いつからか少女漫画もたまにしか読まなくなっていた!
……いやいや、これは現実世界なのだ。現実問題なのだ。乙女ゲームや少女漫画といっしょにしてはいけない。
なんてひとりツッコミを心の中でした後、
「おはようございまーす」
と、牧原さんが出勤してきた。