現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「今度の日曜日、一日どこか遊びに行かない?」
志木さんにそう聞かれたのは、オフ会のお誘いをいただいた次の日の夜だった。
たまたま仕事が終わる時間が重なり、そのまま、彼の家の近くの小さな居酒屋で軽く飲むことになった。
志木さんからのお誘い、すごくうれしい。
それに、休日の夜に食事をしたことはあっても、一日いっしょに過ごしたことはまだなかったから。
でも、でも……!
「ご、ごめんなさい」
私はビールジョッキをテーブルに置いて、カウンター席の隣に座る彼に頭を下げた。
「その日は先約があって……。あ、でも夕方には終わると思うので、夜なら空いてますよ!」
「そうなんだ。先約があるなら仕方ないな。気にしないで。
友だちとどこか行くの? それとも、アニメ系のイベントとか?」
「えーと……」
「なに? 今さら隠しごともなにもないだろ?」
志木さんは笑いながら明るくそう言ってくれた。
そうだよね。彼の言う通り、今さら隠すことでもないだろう。
「実はですね、コミュニティサイトで知り合った、アニメ好きな人たちとのオフ会をやるんです」
「オフ会?」
「はい」
あ。志木さんはコミュニティサイトとか使わないし、オフ会って言われてもピンとこないかな?
じゃあ、説明しよう。
「ネット上でいろんな人と交流できる、アミロンっていう大型のコミュニティサイトがあるんですよ。
そこでは、ゲームとかチャットとかで他人と交流ができるんですけど、その中に、アニメが好きな人たちが集まるグループチャットみたいなのがあって。
そこで知り合って仲良くなった人たちと会うんですよ。
まあ、遠くに住んでる人たちは集まるのは難しそうなので、みんなで集まるといっても、五人くらいだと思いますが」
私がそう説明を終えると、志木さんは黙ったまま、難しそうな顔をしている。
あれ、おかしいな。いつもだったら私の趣味の話をしても、「そうなんだ」ってやさしい顔で聞いてくれるのに。
私の説明、ヘタでわかりづらかったかな?
と、不安に思っていると。