現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「サヨコちゃんいーなー、こんなに話のわかる彼氏がいて! 私の元カレなんて、私のオタクバレした瞬間にキレたもんー」

リンゴさんが、明るい笑顔を私に向けながらそう言ってくれた。

パティさんも、「うんうん、しかもイケメンだしー。羨ましー」と続けてくれる。


「そ、そんな……」

両手を顔の前で振りながらそう答えるけれど、そんなふうに言ってもらえるのは、正直ちょっとうれしく感じて、少し照れてしまう。


すると、突然。


ーードカッ‼︎


大きな音を立てて、Taka★さんがパティさんの正面のイスに腰かけた。

突然だったから、驚いて思わず固まってしまった。いや、立ちっぱなしも良くないし、別にいいんだけど。


……ただ、このテーブルは、三人対三人で向かい合うように座る席なので、Taka★さんがそこに座ると、私と志木さんは、Taka★さんを挟むように座るしかない。

すぐにリンゴさんが、

「Taka★さん、フツーはサヨコちゃんと彼氏くんが隣同士でしょう?」

と、言ってくれたけれど、


「え? 別にいーじゃん。ふたりはいつもいっしょにいるんだろ? 俺はサヨコさんとは普段は会えないし、せっかく会えたんだから隣同士でいろいろ話したいもん」

と、Taka★さんは笑顔で、私とリンゴさん、そして志木さんを見ながらそう答えた。

う……なんだろ、この感じ。
話したい、って言ってもらえてもちろんうれしいんだけど、その……志木さんの前でそんなふうに言わないでほしいっていうか……。
いや、わかってるよ。Taka★さんが純粋に私と話したいって思ってくれているということは。
Taka★さんとは、異性にしてはとても話が合って、ふたりでチャットとかも何回かしたから、仲がいい。
別に、Taka★さんが私に特別な感情があるだなんて勘違いしてうぬぼれているわけじゃない。
だけど、やっぱり……志木さんの前で誤解を招くようなことは言わないでほしい……。

でも、性格上、それを口に出せずに困っていると、志木さんが。


「別にかまいませんよ。じゃあ俺はここに座りますね」

そう言って、Taka★さんの隣、ソルさんの正面に座った。
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