現状報告！オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。

「一見やさしそうだけどさ、本人がいないところではそういうこと言ってる奴なんだよ。別れた方がいいよ」

「……」

「それにさ、恋人って、趣味の合う者同士の方がうまくいくんじゃないかな？ スポーツ好きはスポーツ好きと付き合って、映画好きは映画好きと付き合う、みたいな。その方が趣味や価値観の違いでケンカもないし、絶対うまくいくでしょ。つまり、オタクはオタク同士で付き合った方がいいんじゃないかなってこと。だからさ……」

そう言うと、彼は突然私の肩を自分の方へと引き寄せる。

そして……。


「サヨコさん、俺と付き合わない？ 俺なら、サヨコさんの趣味は絶対に否定しないし、お互いに楽しい日々が送れると思うんだよね」

言い終わると同時に、彼の指が、私の顎にかかる。

そして、彼の唇が近づいてきてーー……。




「なにしてんだ、オイ」


突然、彼の後ろから、そんな低い声が聞こえた。

そこには、志木さんが立っていた。


聞いたことのないような低い声だった。
目も、怖い。


Taka★さんが振り返ると、志木さんはもう一度、


「なにしてんだって言ってんだよ。さっさと離れろ」

と、Taka★さんに言った。