現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
night.5
志木さんとキスをしてから、一ヶ月が経った。

期間限定のお付き合い。脅しから始まったお付き合い。
私たちのそんな恋人関係は、すっかり二ヶ月目に突入していた。

あれから数度、デートをした。そのたびに、キスをした。
キス以上のこと、はまだだけど……私も志木さんのことかなり意識しているし……私たち、もう普通の恋人関係だよね? 三ヶ月が過ぎても、私、志木さんの彼女でいいんだよね?


そう思って、私はチラ、と後ろにいる彼に振り向く。

と、うっかり目が合ってしまった。

しまった。いくら恋人同士とはいえ、仕事に厳しい彼は、すぐにクールに”仕事に集中しろ”って言うに決まっている――そう思って、怒られる覚悟をしたのだけれど。


彼は私を見て、フッと小さく笑った。


ドッキン。

胸が、高鳴る。
ダメだ。二ヶ月経つのに、彼の笑顔が大好きすぎて。未だに胸がキュンキュンする。初恋の中学生か、私は!


なんやかんやで、私は幸せだ。

仕事は大変だけれど、なんとか少し慣れてきたし。

牧原さんたちも、以前よりずっと真面目にやってくれている。

そして志木さんとの恋人関係も、良好。


うん、幸せだ。

いろいろとこんなにうまくいっていていいのかな? ちょっと不安になる。そのくらい、順調な日々が続いていた。
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