現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「沙代ー、元気ー?」
少し久しぶりに会ったマサちゃんは、いつもと変わらない笑顔を私に向けてくれる。
ランチの場所は、駅のすぐ近くにあるイタリアンのお店にした。
私が店内に入ると、すでにマサちゃんが窓際の席に着いていて、「こっちこっち」と手招きしてくれた。
お昼時とあって、店内はそれなりに混んでいるけれど、ピーク時よりはまだ少し早いため、待つことなく席に着くことができた。
「元気だよー。マサちゃんはどう?」
マサちゃんは、後ろにひとつに束ねた黒髪を揺らし、元気よく笑いながら、「元気元気!」と答える。
マサちゃんはいつでも明るくハツラツだ。家庭を持つようになっても、それはまったく変わらない。
「ていうか沙代、ほんとに元気なの? 係長になったって聞いた時は正直、〝え、沙代が? 部下に注意とかできんの?〟って思ったんだけど?」
「は、はは……よくわかってるね。最初は苦労したよ……」
でも、最近は元気になんとかやってるよ。そう答えると、マサちゃんは「そっか!」と言って、また元気に笑ってくれた。
マサちゃんは、昔から私の相談とかをよく聞いてくれていた。人に相談したりするのってあまり得意じゃないんだけど、マサちゃんにはなぜか話しやすかったんだよね。
マサちゃんはオタクではないけれど、いつも私の話を聞いてくれるから、彼女には例外的に私がオタクであることを打ち明けていた。
そんなマサちゃんにも、志木さんのことはまだ話せていない。
最初は、どうせ三ヶ月したら別れるし、と思って言っていなかっただけだけど、今後彼と恋人関係を続けていきたいと思っている今も、まだ話せていない。
職場恋愛となると軽率に話してはいけない気がするし、なにより、どう切り出せばいいのかわからなくて……。
だけどやっぱり、マサちゃんには話したいな。相談に乗ってもらいたい。
この店オススメの絶品トマトソースのナポリタンを口に含みながらそう考えていると、
「そういえば、沙代の店に、志木さんっていう、うちらの二年上の先輩、いるじゃん。たしか今、沙代の直属の上司だよね?」
と、なんとマサちゃんの口から彼の名前が飛び出してきた。
う、うん。と私が答えると。
「ねえ、その人、どんな人? 一回くらい会ったことあるかもしれないけど、忘れちゃって」
珍しいな、マサちゃんが誰かについてそんな質問をしてくるなんて。
まるでなにかを探っているかのような……。
少し久しぶりに会ったマサちゃんは、いつもと変わらない笑顔を私に向けてくれる。
ランチの場所は、駅のすぐ近くにあるイタリアンのお店にした。
私が店内に入ると、すでにマサちゃんが窓際の席に着いていて、「こっちこっち」と手招きしてくれた。
お昼時とあって、店内はそれなりに混んでいるけれど、ピーク時よりはまだ少し早いため、待つことなく席に着くことができた。
「元気だよー。マサちゃんはどう?」
マサちゃんは、後ろにひとつに束ねた黒髪を揺らし、元気よく笑いながら、「元気元気!」と答える。
マサちゃんはいつでも明るくハツラツだ。家庭を持つようになっても、それはまったく変わらない。
「ていうか沙代、ほんとに元気なの? 係長になったって聞いた時は正直、〝え、沙代が? 部下に注意とかできんの?〟って思ったんだけど?」
「は、はは……よくわかってるね。最初は苦労したよ……」
でも、最近は元気になんとかやってるよ。そう答えると、マサちゃんは「そっか!」と言って、また元気に笑ってくれた。
マサちゃんは、昔から私の相談とかをよく聞いてくれていた。人に相談したりするのってあまり得意じゃないんだけど、マサちゃんにはなぜか話しやすかったんだよね。
マサちゃんはオタクではないけれど、いつも私の話を聞いてくれるから、彼女には例外的に私がオタクであることを打ち明けていた。
そんなマサちゃんにも、志木さんのことはまだ話せていない。
最初は、どうせ三ヶ月したら別れるし、と思って言っていなかっただけだけど、今後彼と恋人関係を続けていきたいと思っている今も、まだ話せていない。
職場恋愛となると軽率に話してはいけない気がするし、なにより、どう切り出せばいいのかわからなくて……。
だけどやっぱり、マサちゃんには話したいな。相談に乗ってもらいたい。
この店オススメの絶品トマトソースのナポリタンを口に含みながらそう考えていると、
「そういえば、沙代の店に、志木さんっていう、うちらの二年上の先輩、いるじゃん。たしか今、沙代の直属の上司だよね?」
と、なんとマサちゃんの口から彼の名前が飛び出してきた。
う、うん。と私が答えると。
「ねえ、その人、どんな人? 一回くらい会ったことあるかもしれないけど、忘れちゃって」
珍しいな、マサちゃんが誰かについてそんな質問をしてくるなんて。
まるでなにかを探っているかのような……。