VOICE~君の声を求めて
出会いの一小説
春、私は高校生になった。
真新しい制服に、肩につくくらいのストレートの髪。お気に入りの星のピンをつけて、学校へむかった。
学校の桜はうっすらピンク色に染まっている。
ドンッ!!
急に背中に重みを感じる。
「おーい!琴音!(ことね)」
こんなことするのは……
「詩音!(しおん)もう後ろから急に抱きつくのはやめてっ……」
急に抱きついてきたのは、私の親友の野村詩音(のむらしおん)
胸までのびた綺麗な焦げ茶色の髪。
染めているわけではなくて地毛だ。
くっきり二重で笑顔の良く似合う女の子だ。
そして____
成績よし、顔よし、性格よし、スポーツよしの四拍子が揃っている。
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