VOICE~君の声を求めて
こいつの前で泣きなくない




「泣いてんのか?」





「泣いてない」





全然説得力のない涙声の″泣いてない″




「泣いてんじゃん」





有馬くんはそう言って、微笑んだ。





すると突然頭の上に重みを感じた。
でも朝みたいな痛みじゃなくて、優しい重み。

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