VOICE~君の声を求めて
″ありがとう″って言えなかったなぁ……
こんな時、詩音だったらにっこり笑って『ありがとう』って言うんだろうな。
ギシッ
有馬くんが無言で私の隣りに座った。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫……もう酔いも水飲んだおかけでなくなってきたし」
「そっか、よかった」
そう言って、クシャと笑った。
ドキッ!
なに?
胸がドキドキする。
止まらない……
私おかしい……
それから有馬くんに言えまで送ってもらい、無事帰宅した。
でも送ってもらってる最中有馬くんの顔はほとんど見れなかった。