ガラスの靴〈短編〉
目の前が真っ暗になった。 

前もあったこのシーン。 

キスされてる!? 


こんなの台本に無かったよね?! 


頭の中は大混乱。 


客席からもザワザワとどよめにが起きる。 


「いかないで下さい。俺のシンデレラ。」


ア、アドリブ?! 


乗るしかないっ!! 


「王子様…。私は、帰らなくてはならないのです。」

「帰らせねぇよ。」


えっ?!Sを普通にだしてる!!っいうか、客席アドリブって気づいてないし!

あわあわと考えていると、さっき脱いだガラスの靴を私に履かせた。 


「俺と結婚してください。」


うっ…、いくら劇でも恥ずかしよ。 


「はい……」


そう言うと優斗はまた私にキスをした。 


ナレーターが無理やり話を終わらせてくれたおかげで、幕がおりた。 


っていうか! 

さっきから幕が降りてもずっとキスしてるんですけど!! 


「ねぇ……ちょっと…」


他のキャストもずっと見てるってば!! 


どいてよ〜〜!
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