恋愛対象外だから!【おまけ追加】
楓加side





頭がズキズキと痛む。
かなり痛みが激しい。


目を覚ますと、白い天井が見えた。
そして、薬品の香りがする。


多分、ここは病院なんだ。


確か、あたしは階段から落ちて頭を打って意識がなくなった。


あたし、生きてるんだ。



「…目が覚めた?」



目の前には女の先生がいた。
優しい感じの先生。



「…はい、」


「さっきまで、京さんいたんだけど今ちょっと警察の人達が来ていて、あなたの容態を伝えに行ったの。」



警察…か、
そこまで大事になってたなんて。



「でも、良かったわ、楓加ちゃん2週間も意識不明だったから皆心配してたの。」


「…2週間も?」


「毎日、交代でお兄さん達が来てくれていたわよ。…愛されてるわね。」



愛されてる…、のかな。
そうだったら嬉しいな。



「お兄ちゃん達何か言ってましたか?」


「京さん、次男が思い詰めてるから心配だとは言ってたけど。」



はるちゃんが?
そっか、昔からいちばん繊細だったね。



「…あたしなら大丈夫なのに、」



あたしは不死身だもん、
そんな簡単に死ねないよ。


それに、あたしようやくわかったから。




──── お兄ちゃん達に対する気持ちが。



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