毒、ときどき蜜
恥ずかしくてなにも言えずにいると、尚はトリュフのひとつを指でつまんで、
「おいしいから、梨央も食べなよ」
と唇に当ててくる。
口を開くと、舌の上でとろける、甘い甘い恋の味。
「餌づけ成功」
尚がくすくすと、やけに嬉しそうに笑う。
「甘いものさえあれば、梨央を一生飼ってられそうだな」
―――私の彼は、とても毒舌だ。
でも、ときどき、蜜よりも甘い。
だから、やめられない。
だから、もっともっと欲しくなる。
「―――もっと、ちょうだい」
私は、あーん、と口を開いて、彼がくれる極上のチョコレートを待ち受ける。
完
「おいしいから、梨央も食べなよ」
と唇に当ててくる。
口を開くと、舌の上でとろける、甘い甘い恋の味。
「餌づけ成功」
尚がくすくすと、やけに嬉しそうに笑う。
「甘いものさえあれば、梨央を一生飼ってられそうだな」
―――私の彼は、とても毒舌だ。
でも、ときどき、蜜よりも甘い。
だから、やめられない。
だから、もっともっと欲しくなる。
「―――もっと、ちょうだい」
私は、あーん、と口を開いて、彼がくれる極上のチョコレートを待ち受ける。
完