夏の香り
「はい。」
お茶を渡してくれた。

「あ、ありがとうございます。」

彼は何も言わず笑顔を浮かべたまま去っていった。

「先輩!お茶ありがとうございます!」
後ろから未来ちゃんが駆け寄る。

「あ、うん。」

転がったお茶を未来ちゃんに渡すが、

「ダメですよ、先輩。」

未来ちゃんは私が小脇に抱えていたお茶を受け取った。

転がったやつは嫌ってか?

と思っていたらそうではなかった。
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