夏の香り
運ばれた先は医務室だった。


「軽い熱中症ですね。しばらく休んでいればよくなりますよ。」

医務室の先生は座っている私に氷のうを渡してくれた。

「そうですか。ありがとうございます。」

柑橘爽やか青年はそう言って医務室から出ていこうとした。


「あ、あの!」

ドアの近くで立ち止まる。

「ありがとうございました。」

彼は振り向き、笑顔で言った。


「お大事に。」
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