※雪や嵐の日はくる※



「やっぱ、気圧が下がると体調わるくなるとかじゃないの?」



わたしの適当な考えに、みんなは納得したようにうなずく。


佐々木くんも気の毒だ。

こんなに適当なことを、まるで真実かのようにあれこれ言われて。



「あ、ごめんわたし迎えきた
帰らないと」



ずっと携帯を覗き込んでいた奈央ちゃんが椅子から立ち上がりながらそう言った。



「あー、そろそろあたしらも帰るか〜」



「だねー。」



それから私たちは、
くだらない噂話を続けながら、
学校の廊下を渡り階段を降りて、枝だけになった桜並木を通り、坂を下った。



蜘蛛の巣が、いたる所に張り付いた、
ぼろぼろの駐輪場。
チャリ通組は、みんなここに自転車をおいて、この東高(ひがしこう)へと通っている。


いつもと同じメンバーで、
いつも通りの道を歩いて、
いつもと同じようなことを話してる。


でも、こんな毎日が続くのも、あとちょっと。

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