3.11私の見たもの。
友達のお母さんに連れられ私は家に帰ることになった。

『ママのお腹に赤ちゃんがいるの』

何度も言っていた。友達のお母さんも心配してくれた。

家に行くと、近所のおばさんが家まで連れて行ってくれた。
母のいた家の中はグチャグチャだった。

『ママは?ママは!!』

必死に叫んだ。

すると窓の方から母が来た。
無傷で無事だった。必要なものだけ持ち、唯一の出口の窓から出てきたらしい。

赤ちゃんも、大丈夫だ。

すると

ーウォーーーンウォーンー

地域サイレンが鳴った。初めて聞く音。怖かった。

津波警報のお知らせだ。

走って小学校へ逃げた。

父は母のサポートをしていた。
小学生だった私はみんなのペースについて行けなかった。

すると迎え側に住む高校生のお兄さんが私を抱っこして一緒に逃げてくれた。
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