呪いの笑い人形
恐るべし、呪いの笑い人形
 誰もいない第一会議室のテーブルの下に盗聴器をセット完了。

 入る時も出る時も誰にも見られていない。

 何食わぬ顔で通路を歩き、第一会議室からいちばん近い女子トイレに入った。

 邪魔者が入ってこないように、入り口に清掃中の看板を設置。

 会議が始まるまで、あと5分。

 社長をはじめとして、重役が出席する重要な会議。

 足音、椅子を引く音、会議出席者の話し声もよく聞こえる。受信機の感度は良好。

 あとは、会議が始まったら、呪いの笑い人形をくすぐるだけ。



 なぜ私がこのようなことをしているのか、解説しよう。

 今から2週間前に話は遡る。

 突然、私は彼氏にフラれた。

 彼氏にフラれた理由は、私のフェラが下手だから。

 たったそれだけの理由で、私はフラれてしまった。

 悲しいというより、怒りを覚えた。

 フェラが下手なだけで……。

 私は復讐を誓った。

 もっと酷い目に遭わせてやると。
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