呪いの笑い人形
 呪いの笑い人形の入手先は、とある古びた骨董屋。

 失恋のショックから立ち直るために、何か美味しい物でも食べようと、街中を歩いていた時、怪しげな雰囲気の骨董屋を見つけた。

 何か良いものがあるかもしれない。と考え、その骨董屋に入ってみた。

 わらで作られた人形を見つけた。



「これは、呪いのわら人形ですか?」

 店主の老婆に聞いてみた。

「違うよ。それは、呪いの笑い人形だよ」

 店主の老婆は、不適な笑みを浮かべながら答えた。

「の、呪いの……笑い……人形……」

「お客さんは、誰かに復讐しようと思っているのかい?」

「はい」

「そうかい」

「この、呪いの笑い人形は、おいくらなんですか?」

「今回は特別に、9800えーん」

 店主の老婆は、通販番組でお馴染みの、トーカ堂のおじさんのような言い方をした。



 私は、呪いの笑い人形を買うことにした。

 店主の老婆に代金を渡して、呪いの笑い人形の使い方を教えてもらった。

 究極の奥義も教えてくれた。

 使い方は簡単。

 笑わせたい相手の名札を胴体に貼り付けて、呪いの笑い人形をくすぐるだけ。

 こちょこちょこちょこちょこちょこちょ。

 手、足、胴体、顔、脇の下。どこをくすぐっても、大爆笑するという。

 それで、私は閃いた。

 元彼に復讐する手立てを。



 呪いの笑い人形の効果は、私の弟で実証済み。

 脇の下をこちょこちょしただけで、気が狂ったように笑っていた。

 姉貴ー! やめてくれー! 頼むからやめてくれー!
< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop