松田先生オシエテ.

「はい、ここはxを代入だぞー」



松田先生は淡々と
授業を進めていく。



「じゃ、恒例の隣の人と協力して答えを導きだすTimeとする。1分間、よーいはじめ」



先生はそう言って
机の間を進んでいく



あたしの席に近づいた時
松田先生はペンを落とした。



いや、これはわざとだ。
松田先生はあたしに拾えと
言わんばかりに視線を送る



…人遣いが荒い
それでも教師か。




そう心の中で毒を吐き
渋々椅子から立ち上がり
腰を曲げてペンを拾った。



─と、同時に
今度は、待っていたと
言わんばかりに
先生の手から小さい紙が床に置かれた



その小さい紙も拾い上げ
先生にペンを渡した。



「わり、さんきゅ。」



先生はそう呟くと
また生徒達の間を
通っていった。
< 17 / 60 >

この作品をシェア

pagetop