松田先生オシエテ.


みんな必死で勉強していた。
凄いな、みんな。
何かに向けて頑張ってるんだ


あたしに夢なんてない。
小さい頃はあった。


だけど───
その夢はあの人達によって



崩されたんだから




何もかもあたしの全てを
奪い取ったんだから。



「おい、木下。大丈夫か」


松田先生の声でハッとする。
その瞬間あたしの頬に涙が伝わっていた



いつの、間に
泣いてたんだ。



「…大丈夫です、顔洗ってきます」



そう呟いて教室を飛び出した
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