私が輝ける場所







昼休憩。


うちの中学は給食ではなく毎日弁当なので私はいつものように自身の席で静かにお弁当を広げ食べ始める。




すると、それを狙っていたかのように寄ってくるのは冴子とその取巻き数人。






「あれぇ〜ブスで可哀想な涼原さぁーん!一人なのぉ〜?」



「寂しいと思うから私らが一緒に食べてあげるよぉ〜!!」


ボトッ



食べていたお弁当を1人に奪われ床に放り投げられる。
あーあ、久々に自分で作ったのに。

まぁ自分で作ったからいいんだけどさ、これが妹とか母に作ってもらってたら流石にキレタかな



「あ、ごめーん!滑ったァ〜」



冴子が笑い出すとあちらこちらからクスクスとなんとも嘘っぽい笑いが溢れ出す。


人形みたいだね。みんな、人形みたいだ。




なんで私がこんなことにっ!!……なんて私が思うとでも?


な分けないじゃん(笑)そう心の中で笑い、面では真顔で…




「束になって一人をいじめるしか出来ない……本当に弱いのはどっちだろうね?」



そう言ってグチャグチャになったお弁当と、その箱を片付ける。



「なっ……いい気になってんじゃねぇよブスッ!」


真顔で言われたことに腹が立ったのかまたもやキレだす冴子。


うるさいなぁ…よくもまぁそうポンポンと言葉が出てくるのだろうか…


どうしたら静かになる……?

あー。そーか。





私は冴子たちを無視してある机に向かった。


冴子とその取巻き数人の机の方だ。
そして置いてある弁当箱をさっきの冴子立ちと同じように……


ボトボトッ



と床に落とした…そして同じように………………。



「あ、ごめーん!手が滑ったわー」


と笑顔で言った。


「「「なっ!!」」」


「なにすんだよ!!」


「私のお弁当!!」


「さいてぇ!!」





うるさいなぁ。さるかよ(笑)



「なにって………え?これでおあいこでしょう?」



「「「っ……!!!」」」



ニヤって笑うとまたもや何かを言われそうだったのでめんどくさくなった私は授業をサボるため教室を出た。




まぁ、そんなこんなで私はとても覚めてる。

うん。いや別に家庭は基本的ふつーだ。むしろ普通の人より充実してる。




両親が両方ともいて、2人とも明るくて優しいし…

一つ下の弟が一人と三つ下の妹が一人。妹は私と違って愛想が良くて明るくて可愛い…だからモテるし、男女ともに人気だ…とてもいい子。




弟は……同じように明るくて愛想が良くて男女ともに人気…そして、自分で言って悲しくなるがイケメンだ。




だからすっごいモテる。
ただ、世にいう不良で喧嘩やらなんやら強い。



一応私も約一年前まではここら辺で3大トップと言われるくらい不良として有名だったんだよ?


まぁ、名前とか知られてたけど、基本フードとマスクをしてたから顔は案外バレてない。




なんで不良を辞めたのかはまたのお話で。



まぁとにかくだ!!弟も妹と多分…いや確実に私より友達が沢山いる。



私は友達とか…不良時代の悪友でまだ繋がってる数人くらいだ。







まぁ別に友達は基本いらない。

だってめんどくさいから。



私の家族で覚めてるのは私くらいだと思う。
なぜこうも覚めたんだっけなぁ…………



理由があった……でもそれは思い出したくなかった。

だから───





「あー………忘れた。」



と自分に言い聞かせた







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